部長の喜劇

2005年1月25日
今日は店で宴会があった。

どこかの車販売店の飲み会らしくて
営業っぽい元気そうな人たちが20人弱。かなり飲んでた。

「・・どうだっ?これだけ言われて悔しいんだったら売ってみんかい!!」
上司らしき人が怒鳴ってて縮こまる部下っぽい若手。

(うるさいなー)
と思いつつも他に客は少なかったので無視し、レジでパソコンに向かって発注を進めていた。

足音が聞こえてふと横を見ると
かなり酔っ払って足元フラフラなハゲのおっさんが一人。

(ん?なんだろ。トイレどこか聞きに来たのか?)

いまいちこっちを見ているか怪しい目線
少しかわゆく小首をかしげた状態でおっさんは口を開いた。
内容は予想どおりだった。
しかしその口調は想像をはるかに超えていた。

やや高い声、小声でささやくように・・・

「・・・トイレちょうだい?」(めっさ可愛く)

(!?)

「(こっ)こちらへどうぞ!お客様!!」

思わず接客マニュアル通りそのままのセリフが口をついて出た。

ふらふらとついてくるおっさんは途中で俺を見失って全然関係ない方角を凝視し、酒の並ぶ棚の方に歩いていく。

(おいおいっ!この広い空間でどうやって見失う!?)
「お客様、そっちではありません。こちらへ・・・!!」

嫌だけどしょうがなく腕をつかんであげてトイレまで誘導。

後ろを振り返るとホールのU田がおかしそうに見ている。
「いまおっさん、めっちゃ可愛い声で、(真似して)トイレちょうだい、って言った!!」
「・・・・・・!!」
あまりの面白さに料理を持っていくことなく置いて、口を押さえて震えるU田であった。

その後宴会はお開きになって幹事らしきスーツが
「では最後に、部長に一言いただきましょう!!」
と言った。
俺とU田は片付け準備のためにそれを見ていた。

一人のハゲたおっさんがフラフラと立ち上がった。

さっきのおっさんじゃん!!

俺らはそれぞれ心の中でつっこむ。

そのおっさん、改め部長は何だかよくわからないことを一本締めを三回も交えて堂々と語った後、座敷を降りた。

うちの座敷は下駄箱がないのでビニール袋を渡し、靴を手元に持ち込んで飲んでもらうのだが、彼は何故かビニール袋と足を両方靴に突っ込んで上機嫌で店を出ようとしている。もちろん袋引きずったまま。

その後ろでは部下たちが指差して爆笑している。
俺も爆笑したかった・・・ていうか、教えてやれよ部下。

彼らが帰った後、閉店までその人の話題で持ちきりだった。

やっぱ人間、度を過ぎて飲むとろくな事しませんね。
皆さんも注意してください。

・・・一番気をつけなきゃいけないのは俺なのだが。はは。

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